けの汁

青森県つがる市フィルムコミッションが中心となり、今では失われつつある日本の地方文化を題材に作られました。東日本大震災復興支援上映プロジェクトとして、山形国際ドキュメンタリー映画祭の巡回上映として、３月１１日に東京芸術学舎でも上映されます。

一緒にいられたのが、お前でよかった
　青森県津軽地方。人口４万弱が暮らすつがる市は、津軽富士と謳われる岩木山の麓にある。つがる市では毎年お盆の時期に馬市まつりが行われ、夏の終わりをつげる。変わらぬ日常、変わらぬ時期を過ごす修一（三上寛）にとって、馬市まつりに妻の花枝（浜丘麻矢）が変わらぬ姿で帰ってくるのもいつのも出来事。高校時代に修一（若き修一役：石田法嗣）は、東京から津軽へ転校してきた。その時、最初に優しく声をかけてくれたのが花枝で、後に生涯の伴侶となる。

　修市と花枝は幸せだった。そんな二人に悲劇と喜劇が訪れる。花枝が愛娘、千恵(小林あずさ)を出産し、この世を去った。都会生まれの修市にとって、花枝が残した家と愛娘だけが、津軽をつなげる。それから２８年。花枝が残した千恵も、今では東京暮らし。今年も馬市まつりがやってくる。例年、この時期はどの家も、親戚一同帰郷し、顔を揃え、お互いの無事を一喜一憂する。修市の家でも、母娘が揃う。いつもと感じが違うのは、娘の千恵が東京から婚約者(天野浩成)をつれて帰省するという。愛した妻、花枝は、もうこの世にはいない。妻が残したかった思いは、故郷に残したまま・・・。母親を知らない千恵。修市は母親である、妻の花枝の代わりに「けの汁」で思いをつなぐ・・・。

監督：千村利光　
出演：三上寛、浜丘麻矢、小林あずさ、天野浩成、石田法嗣
製作・制作：つがる市フィルムコミッション、ザフール　

第20回記念＠ffあおもり映画祭招待作品、縄文メロンアワード2011受賞
山形国際ドキュメンタリー映画祭２０１１　東日本大震災復興支援上映プロジェクト「ともにある　Cinema With Us」上映作品

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